ナースまつり2025「協賛企画」の実施報告~可能性は無限大!これから看護のキャリアはどうなる?
- Nurse for Nurse
- 7月28日
- 読了時間: 3分

ナースまつりレポート:看護師の可能性、無限大!
2025年7月18日、東京ビッグサイトで開催された「ナースまつり 看護の未来、無限大!新たな一歩を踏み出すあなたへ」の最終日に、パネルディスカッション「可能性は無限大!これからのキャリアはどうなる?」を聴講しました。登壇したのは、Nurse for Nurse(NfN)理事の二田水彩さんと川添高志さん、そしてNfN会員の小林恵梨香さん。NfNの皆さんが語る看護師の多様なキャリアの可能性に、会場全体が聞き入りました。
小林恵梨香さんの挑戦と学びのストーリー
特に印象的だったのは、NfN会員の小林恵梨香さんのキャリアストーリーです。大学で動物の福祉を学び、書店勤務を経て看護の道へ。病棟勤務、結婚、出産、育児を経て時短勤務で退院支援看護師となり、患者の「人生の再構築」に関わる奥深さを実感されたそうです。そして、地域で患者さんを支えたいという思いから訪問看護ステーションへ転職。学び続けられる環境を重視して選んだ職場で、患者さんや家族の生活に深く関わり、その人らしい「食、空間、時間」をデザインできることにやりがいがあることを実感をもって語っていました。
「自分の大切にしていること」を軸にしたキャリア戦略
小林さんは「自転車通勤圏内、学び続けられる環境」を重視し情報収集して自分の大切にしていることを大事にできる職場を見つけたとのこと。
登壇者それぞれの現在の仕事に対する満足度も興味深かったです。二田水さんは大学での国際看護の教員とNfN理事としての活動で、研究、海外との関わり、学生教育に大きな満足感を得ていると語り、川添さんはケアプロ代表として、保険診療外で顧客満足を追求できることや、社員や外部の方々と共に看護の新しい仕事を生み出せることにやりがいを感じていると熱く語られました。
小林さんもコーチングの資格を取得したことで「答えはその人の中にある」という軸を持てるようになり、「聞き切る」ことが看護にも役立つと力説。国際コーチング資格取得を目指していること、そして退院支援の経験から、日本の社会で普段から死生観や人生観を語り合える場として「Death Cafe」を地域で開きたいという具体的な展望が語られました。
看護師の未来は、社会の可能性を広げる!
今後のキャリアについて、二田水さんは学生へ多様な働き方を伝え、キャリア開発に関わりたいと表明。川添さんは、看護の視点から社会課題解決を目指し、健康保険組合の設立や、児童思春期の精神・発達障害を持つ方への訪問看護支援に意欲を見せました。
看護の可能性についての議論では、小林さんが医療的ケア児の夕方から夜間の支援の必要性を指摘し、二田水さんは看護実践にとどまらず、看護師だからこそ気づけることを医療以外の場で社会課題解決に活かせる可能性、そして国内の臨床現場での異文化看護の重要性の高まりや日本の看護の海外輸出への可能性を語られました。
川添さんは、日本の看護師の人事制度の課題や、訪問看護師のキャリアパス整備の必要性を訴え、看護業界全体の発展への強い思いを感じました。
今回のパネルディスカッションは、「看護のみらい、無限大!」というテーマをまさに象徴する時間でした。登壇者の皆さんの経験と展望から、看護師のキャリアが従来の枠を超え、地域、国際社会、さらには起業といった多様なフィールドで社会貢献と個人の成長を両立できる可能性に満ちていることが強く伝わってきました。
このレポートが、多くの看護職の皆さんが自身のキャリアを見つめ直し、新たな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
(文章および写真提供:NfN会員前田さん)