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ウェビナー実施報告(中央共同募金会事業)

2022年11月13日、NPO法人みかんぐみおよび一般社団法人Nurse for Nurse主催​ウェビナー「集まれ!看護職たち 医療的ケア児・重症心身障害児の暮らしを支える×看護職のキャリア」は200名を超える方々からお申込みいただきました。全国からたくさんの方々にご関心をお寄せいただきありがとうございました。

ウェビナー「集まれ!看護職たち 医療的ケア児・重症心身障害児の暮らしを支える×看護職のキャリア」

「医療的ケア児支援法」が2021年9月に施行されてから1年、各地で様々な取り組みが始まっていますが、教育や福祉など様々な分野で、ケアの担い手である看護職が益々必要とされています。しかし、小児分野の経験を持つ看護職の不足、学校看護師という職種の認知不足等により、サービスが提供できないといった深刻な問題が生じています。このような背景をもとに、本ウェビナーでは医療的ケア児当事者ご家族、保育所・学校・地域・在宅等で活躍する看護職から話を伺い、1人でも多くの看護職に本領域でキャリアを歩む具体的なイメージがわくようになることを目的に実施しました。


当事者ご家族からは医療的ケアが必要なお子様の成長記録と共にそれぞれの発達段階でいかに看護職の支援がご家族の支えになったか、お子様の発達にポジティブな影響を与えたか、というご発表がありました。また、全国にはまだまだ看護職の支えが必要な子供たちがたくさんいるため、1人でも多くの看護職に看護の専門性を子供たちのために活かしてほしい、という声が聞かれました。看護職からは、それぞれの立場での取り組みの紹介だけでなく、何故そのようなキャリアを歩むに至ったのか、その魅力(やりがい)や課題についてご発表いただきました。


本ウェビナーは一人でも多くの方にこの社会課題についてご理解いただけるよう企画し、当日は医療的ケア児・重症心身障害児ご家族、看護職、看護学生、教育・行政・福祉関係者、メディア、市民の方など幅広くご参加いただくことができました。


ご参加いただいた方々のご感想(一部抜粋)をご紹介します。

  • 体験を交えた貴重な発表だった。思わず涙が浮かんでしまった。誰かの力になれる看護が誇らしく思えた。(看護師)

  • 各地域でそれぞれ医ケア児支援に携わってこられた方々の経験やお心構えを聞くことができ、参考になりました。(ご家族)

  • 法律改定に伴い仕事内容が変わることに大きな不安がありました。自分の力不足がとても不安でした。医療現場から離れて6年たつので尚更に。今回の研修で一からお母さんや病院スタッフに教えてもらう気持ちで挑めばなんとかなるかもしれないと思う気持ちが芽生えました。仕事を辞めずに頑張ってみようと思えました。(看護師)

  • 行政保健師をしており、行政でできることは何か、常に考えています。縦割り社会で改革していくことは難しいですが、地域に医療的ケアを必要としている家族がいることから周知していきたいと思いました。(保健師)

  • ご家族の気持ちを、利害関係の少ないところでお伺いする機会がとても貴重だと思いました。本当はもっといろんな思いがあるのだと思いますが、とても励まされました。(看護師)

  • すべての子どもたちのあそびと学びを最大限保障できる保育園を目指そうと思いました。在園している医療的ケア児さんのそれぞれの思いを大切に。そして今後入園を希望する子どもたちのために、たくさんの気づきをいただきました。(福祉関係者)

  • 実体験に基づくお話をお聞きすることが出来、家族の思い、看護師の支援内容などについて本当に貴重な機会であったと感じました。(看護学生)

  • どのお子さんも同じように教育を受け成長できる、親御さんの就労も当たり前にでき、育児できる社会をつくらなければならないと考えました。そこに看護師としてお役に立てる事がたくさんあるのではないか?と思いました。(看護師)

  • 小児の訪問看護の必要性について考えさせられました。普段あまり小児との関わりはないのですが、機会がありましたらご家族に寄り添って児の成長を一緒に見守れるような看護を実践していきたいと思います。(看護師)

  • 訪問看護師です。あまり多くの小児の訪問は経験していませんが、これで良かったのかあまり確信が持てずにいました。母親の立場から、看護師に対しての率直な思いを聞かせていただいた事はとても切実で心に響くものがありました。と同時に自分の行ってきた看護について振り返るきっかけとなり大きな自信をいただきました。(看護師)

  • 口から食べ物を食べられなかった子どもが、看護師と一緒に楽しく食べることの体験を重ねて、今では口からきちんと食べることができるようになったというお話に感動しました。子どもの気持ちを汲み取り、一緒に考えながら問題解決に取り組んでいた看護師さんがすごく大きな存在に見えました。今回のウェビナーから、医療的ケア児への支援に興味が湧きました。(看護学生)

ウェビナー後のアンケートでは、看護職の方への質問として「本ウェビナーを通して本領域での看護職のキャリアについて、具体的なイメージが持てるようになりましたか?」と聞いたところ、アンケートに回答した看護職(N=54)のうち、26名(48.1%)が「持てるようになった」と回答し、次いで21名(38.9%)が「もともと持っていた」、7名(13%)が「どちらともいえない」と回答しました。


当事者ご家族のお話は看護職にとって心に響くものがあり、自身の看護を振り返る機会やモチベーションの維持、新たに本領域に挑戦してみようというきっかけ作りになっていたことが見受けられました。しかし、責任の重さ、保育や教育現場では医療職として少数派であるがための難しさなどが課題として挙げられました。ご本人やご家族の想いに寄り添うこと、関係者との連携の大切さや看護職が安心して働ける環境整備(バックアップ体制や処遇等)が必要であることも示唆されました。


法整備からスムーズなサービス提供体制の構築までには時間がかかりますが、全国には看護職のケアを必要としている子供たちがまだまだたくさんいます。これを機に1人でも多くの看護職に関心をお寄せいただき、それぞれの地域で看護の専門性を活かした取り組みを始めていただければ幸いです。


大変多くの方々のご参加に心より感謝を申し上げます。




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